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基礎演習、グループ発表、図書館

 連休が終わったと思っていたら、いろいろと慌ただしくしているうちに、あっという間に6月になってしまいました。4月に始まった各授業とも、回数を重ね、春学期の終わりに向かって折り返し地点に到達し、いよいよ佳境にさしかかってきているように思われます。

 考古学・民俗学専攻では、1年次の概論・通論などの科目で、理論や方法論・研究史など、専門分野の基礎を学び、2年次・3年次では、各分野の専門知識をもった教員による講義や実習を通して、専門的な知識や技術をより深く学んでゆく、という形で、カリキュラムを構成しています。その一方、各学年に演習科目が配置されていて、学生が自ら課題を設定して、体を動かして、資料を調べ、考えをまとめ、口頭や文字で発表し、文章を書くといった実践・経験を積み重ねることを重視しています。
 
 火曜日の午後、4時間目は、1年生の必修科目「考古学・民俗学演習1」の時間です。この演習は、春学期は私の担当ですから、考古学分野を主題にした内容になりますが、春に新しく入学してきた1年生が大学生として専門的な勉学を開始するにあたって、基礎的なノウハウを身につけてもらうための導入的な性格をもった授業として位置づけています。考古学に関わる特定課題について文献や資料の収集・調査に取り組み、成果の発表をおこないますが、その過程を通して、図書室・図書館での文献検索や、参考館の施設と展示資料の活用、インターネットの利用、口頭発表の方法、レジメ作成、レポートの書き方などを学んでゆくわけです。

  シラバスにも書いていますが、天理大学が位置する恵まれた歴史的環境と充実した附属施設を活用し、教室での学習ばかりでなく、周辺の古墳や寺社、天理図書館、天理参考館に足を運び,体験的に学習を進めることもめざしています。

  そういうわけで、この演習の前半は、天理大学周辺の文化遺産を題材にして課題を決め、班に分かれて調べてゆく作業をおこなっていたのですが、今日は、その成果について、各班がレジメをもとに発表をおこないました。授業時間以外に何度も集まって相談や資料調べをしたり、あるいは、レジメの作成をおこなったりと、大変だったと思いますが、演習での発表というものがどのようなものなのか、感じがつかめたのではないでしょうか。各班ともなかなか頑張っていたと思います。どうもお疲れ様でした。(K)

大学周辺の文化遺産の見学 その1

大学周辺の文化遺産の見学 その2

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年輪年代法、大型建物

 金曜の1限目、9;00から始まる「考古学概論」。今日のテーマは理化学的年代測定法でしたが、日本の考古学でもさまざまな成果をあげている年輪年代法と放射性炭素年代法を中心にとりあげました。年輪年代法は、1年のサイクルをもとに年代測定をおこなう年周期法のひとつですが、ヒノキではBC912年まで、スギではBC1313年までの暦年標準パターンが作成されています。

 大阪府池上・曽根遺跡では、地下水に守られて、弥生時代中期後半の大型建物の柱穴に柱根が腐らずに残っていましたが、その柱根はヒノキ材を用いていて、幸い、樹皮の一部が残っていましたので、年輪年代法によって伐採年代がBC52年であることがわかったわけです。これによって、近畿地方の弥生時代中期後半の年代観が変更になり、それまで間接的な証拠から紀元後1世紀頃だと考えられていたのが、さかのぼって、紀元前1世紀頃だと理解されるようになりました。

 これに対して、昨日、沢遺跡の発表をおこなった田原本町の豆谷さんが発掘調査を担当した唐古・鍵遺跡の第93次調査では、大型建物が検出され、池上・曽根遺跡の場合と同じように、柱穴のひとつに巨大な柱根が残っていました。当時、豆谷さんのご厚意で、私は学生たちといっしょに柱材の抜き取り作業に立ち会わせてもらったのですが、クレーン車で柱材を引き上げる作業は、まるで1トン爆弾の不発弾を処理しているかのような光景でした。抜き取られた柱材の直径は約90cmで、平城宮跡で用いられている柱よりも太いものでした。

  ただし、残念ながらこの柱材は、ケヤキ材を用いていたために、年輪年代法を適用することができませんでした。ヒノキやスギとは違って、ケヤキについては、年輪年代法の暦年代標準パターンが紀元前までつながっていないからです。

  ケヤキと言えば、仙台の青葉通りが有名ですが、天理大学の研究棟の横にも、樹齢20年ほどの若いケヤキ並木があります。今の時期、その青々しい緑がキャンパスの雰囲気にちょっとした華やぎを添えてくれていますが、その樹相をみると、ケヤキは途中まではまっすぐに伸びるのですが、途中から枝分かれをして、ヒノキやスギのようにまっすぐ長い木材を取ることができません。唐古・鍵遺跡の柱材は直径が非常に太く、樹齢の高いかなり大きな木だったことがわかります。それでも、大型建物の上層部まで貫く通柱(とおしばしら)として利用できるような長い材を得ることができたのかどうか、疑問が残ります。

 弥生時代の大型建物に関しては、7月10日に開催される近畿弥生の会で、和歌山市太田・黒田遺跡の第61次調査で見つかった大型掘立柱建物についての報告がエントリーされています。新しい事例として注目されますが、どのようなものなのか、報告の内容が楽しみです。

 ところで、唐古・鍵遺跡は、豆谷さんが担当をして、これから本格的な整備事業が進んでゆく予定です。多国語対応の解説板を是非、設置していただきたいと思いますが、いかがでしょう。整備事業もいよいよこれからという矢先、今日の新聞で報道がありましたように、遺跡見学のための駐車場内に設置された簡易トイレで残念な火災事故が発生してしまいましたが、考えてみると、大型建物が見つかった場所のすぐ近くですね。(K)

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直立して聳える石上神宮の神杉
大木ですが、樹齢は何年なのでしょう

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唐古・鍵遺跡の大型建物の柱材(ケヤキ)の直径をはかる豆谷氏

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新緑が美しいキャンパスの欅並木
電柱がなく広々しています

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大学構内の樹木には説明プレートが設置されています

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樹齢約20年のケヤキの樹相

加藤さんの授業、いろいろと考えさせられる名授業でした

 本日、4限目、長岡市立科学博物館の加藤由美子さん(考古学専攻第4期生)が、キャリアデザインの授業で、歴史文化学科の学生を含む全学の受講生に、専門的職業に関わる事柄を中心に、自らの体験談を披露しました。タイトルは「学生時代の経験を就活に活かすために」。授業時間の90分をフルに活用して、後輩への強いメッセージを送ってくれました。
 
 内容が濃くて、とても簡単には要約できませんが、北海道で過ごした高校時代には進学ではなく就職をめざした努力をしていたが、関西への修学旅行を契機に奈良での勉学を志したこと、天理大学時代に参加した天理市教育委員会の発掘調査の仕事を通して職業観を身につけ、専門的な職業に有用な技術や知識を得たこと、当時は自身の興味から受講していた大学の授業(「文学」や「芸術論」)や課外の古文書を読む会などで得た知識や経験などが現在の仕事で思いがけず役に立ち、自らの糧になっていることなど、の話が印象的でした。

 その後、詳細は省きますが、4年生秋からの就職活動での苦労話、現在の仕事に付いてからの出来事や体験など、興味深い話が続き、つい最近関わった展示作業(戊辰戦争で沈没した蒸気船、『順動丸』のシャフト)のエピソードが紹介されました。人口約1万の小さな町(寺泊町)の教育委員会での仕事は、幅広いさまざまなことをしなければならず、大変だったが楽しく鍛えられ、人とのつながりも豊かだったのに対して、隣接する大きな市(長岡市)に吸収合併されてからは、仕事の内容は縦割り細分化されてしまい、逆に広がりがなく悩んでいるなどといった話は、仕事の面白みという点で、大企業か、中小企業という選択において、一般企業でも共通しているのではないかと思いました。大学もまたそうかもしれません。

 市町村で実践されている文化財や社会教育、博物館の仕事の実際、人とのつながり、そしてその中でどのように自らが変わってきたのか、また、これから変わってゆこうとしているのか、当事者の体験を通して、非常にリアルに語られたわけですが、受講生諸氏も、めざす道はさまざまですが、刺激を受けいろいろと考えさせられた授業だったのではないでしょうか。拍手。

 加藤さん、今日はどうもありがとうございました。(K)

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加藤さんに感謝の拍手とコメントをお願いします。
    ↓

明日、キャリアデザインの授業に卒業生登場!!

 明日、5月20日(木)4時限目、14:45から、考古学・民俗学専攻(当時はまだ考古学専攻でした)の卒業生で、長岡市教育委員会科学博物館文化財係主任として、大学時代に奈良で学んだ専門知識や技術を生かしながら活躍している加藤由美子さんが、授業科目「キャリアデザイン」の講師として新潟から来られます。 教室は、2号棟の4階24Bの大教室です。  

 「キャリアデザイン(人生と職業)」という授業は、生涯教育専攻が、専攻科目(1年~4年配当)として開設している科目で、全学に開放されています。シラバスによると、職業観、職種と仕事内容など、将来の職業生活についてイメージできるようになることをめざして、「キャリアデザイン」に関する考え方を学ぶとともに、特に職業の面を中心に自己のキャリアイメージを描くのだそうです。具体的には、各回に実社会の第一線で活躍されている卒業生を講師としてお招きし、「業界の動向」や「職業観・人生観」などについて語っていただくとのことで、今回は、歴史文化学科卒業生を代表して、加藤さんを講師に迎えるというわけです。

 学生のみなさん、授業登録をしていなくても、今回だけの聴講大歓迎ですから、この機会に、是非、先輩のお話を聞きにいきましょう。学生時代の体験や思い出なども含めながら、考古学や民俗学、博物館などに関わる専門的なお仕事について、どのようにして今の職に就いたのか、現在どのような仕事をしているのか、どのようなことを学生時代にしておけばよいのかなどなど、興味津々の楽しい話が聞けるはずです。

 是非、是非、オススメです。聞き逃さないように! (K)

長岡市科学博物館HP


写真の左側が加藤さんです。
新潟三人組

考古学の教科書

 昨年度から、歴史文化学科の必修共通科目「考古学概論」を担当しています。昨年度は、毎週、授業の準備に大変だったのですが、今年は、2年目なので、少し余裕をもって授業に臨んでいます。この授業、はじめはテキストを使う予定をしていなかったのですが、ちょうど去年の授業が始まる直前、著者の先生(京都大学の泉先生・上原先生)から、放送大学のテキスト『考古学 -その方法と現状-』を恵贈いただきました。

 見てみると、たいへん良くできた本で、さっそく急遽、授業の教科書に採用し、半期の授業期間中、活用させてもらいました。日本の考古学だけでなく、世界の考古学も視野に入れ、非常にバランスのとれた内容になっています。考古学の教科書といえば、昔、浜田耕作先生が著された『通論考古学』が名著の誉れ高いですが、ようやく、それに比肩し、現在のレベルで、安心して利用できる教科書が登場したと言っても過言ではありません。

 考古学を専攻する3年生、4年生のみなさん、あるいはプロとして活躍している卒業生のみなさんも、これは必読ですよ。是非、購入して手元に置いてください。教科書に採用していますので、大学の売店、テン・フィフティーに置いてあります。(K)

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石上神宮と内山永久寺の見学

 今日の4時限目は、1年次生の基礎演習。先週に続いて、大学周辺の文化遺産の見学です。朝から雨模様で、今日は予定変更かと思ったのですが、午後から天気が回復し、日差しが出てきて、少し暑いくらいの陽気になりました。
 青垣の山々は、みずみずしい新緑の装い。大学を歩いて出発して、石上神宮、内山永久寺をゆっくり見学して、ちょうど90分のコース。峯塚古墳はさすがに時間がなくてスルーしましたが、天理市教育委員会が昨年設置した古墳の解説板の横を通り、裏道経由で実習室に戻りました。
 来週は、班別に課題を決めて、図書室で資料調べを始めます。

富岡鉄齊の書を刻む石碑

石上神宮の拝殿は国宝

七支刀は写真掲示のみ

本堂池のみ残る内山永久寺跡

基礎演習で西山古墳に登りました。

毎年の恒例ですが、基礎演習の授業で、西山古墳に登りました。
この時期、まだ草が伸びていないので、墳丘の特徴がよくわかります。
新入生にも、遺跡の迫力を体感する新鮮な経験になったのではないでしょうか。

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ゲルの組み立てワークショップ体験

今日の博物館実習のテーマは「ワークショップの実践」。

天理参考館で、モンゴル族の移動式住居「ゲル」の組み立て体験をしました。

吉田裕彦先生はじめ天理参考館の先生方の指導のもと、みんなで協力して完成にこぎつけました。多少の危険も伴うワークショップをどのように運営するのか、実践を通じてたくさんのことを学んだと思います。

壁にあたる囲いを組み立てます
壁囲いを組み立てます

垂木(たるき)を挿して天枠を持ち上げます
垂木(たるき)を挿して天枠を持ち上げます

天幕を張ってもうすぐ完成
天幕を張ってもうすぐ完成

山口県立新南陽高校へ行きました

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7月9日、山口県周南市にある県立新南陽高校に民俗学の出張授業にうかがいました!        

                
 総合的な学習の時間で、「民俗・歴史研究」講座(村岡秀明教諭担当)を選択している1年生から3年生までの19人の生徒さんに、民俗学の授業を聞いてもらいました。

 1時間目は、「妖怪の出現と恐怖」と題して、生徒のみなさんにオリジナルの妖怪を作ってもらいました。
 妖怪「ピコロン」(落ち込んでいるときに、いつの間にか肩の上に乗っている妖怪)や妖怪「小石」(人をつまずかせて喜ぶ。何もないところでつまづくのはこの「妖怪小石」のせい)など、イラストつきの立派な??妖怪が完成しました。
どのような怖い体験・ふしぎな体験をもとにオリジナルな妖怪を作ったのかも、説明してもらいました。
 それを通して、近世に人々の怖い体験を下敷きに生み出された数多くの妖怪たちが、他の人々の共感をもって受け入れられ、活躍してきた様子を想像することができました。

2時間目は、「妖怪とからだ」と称して、安井が天理大学の学生向けに行なっている「民俗学と文化」の授業の一部を聞いてもらいました。妖怪や幽霊は、人間の身体のどの部分から侵入すると考えられていたのかを、民俗学が蓄積してきた資料を用いて分析しました。
詳しくは、安井眞奈美 2008「狙われた背中――妖怪・怪異譚からみた日本人の身体観」小松和彦還暦記念論集刊行会編『日本文化の人類学/異文化の民俗学』法蔵館の論文をごらんください。

新南陽高校の皆さん全員から、感想をお寄せいただきました。ほんとうにどうもありがとうございました!一部をご紹介させていただきます。

3年生Tさん
 今回「妖怪と身体」についてお話していただいて、知らないことばかりでとても楽しかったです。私は、妖怪や幽霊は身体のどこからか入ってきて憑くより、心に憑くのではないかと思います。心が弱くなったり、精神がよい状態でない時、変な行動をとったり、おびえて普通のものでも異常に見えてしまったりすることを、「憑く」というのではないかと思いました。(←スルドイですね!!安井)
 今回はわざわざ来てくださってありがとうございました。とても面白かったです。

3年生 Nさん
 オリジナルの妖怪を考えるのが楽しかったです。みんなが創った妖怪も数分でよくそこまで設定をつくれたなと思うほど、ユニークでかわいらしいのが多かったです。今まで民俗学は知っていたけれど、くわしくは知らなかったので、大学の民俗学の話はとても興味深かったです。次回も楽しみにしています(←ハイ、ぜひ次回もうかがいます!!)。
 

                                                      安井眞奈美



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