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「泰□四年」と「中平」、ふたつの紀年銘資料

 今年は、遷都1,300年ということで、奈良県内の各地で社寺の特別開帳が行われ、今週から、石上神宮の国宝・七支刀の特別拝観が始まっています。昨日3日目は、特別拝観が始まってから初めての雨天になり、そのためかどうかわかりませんが、予定よりも拝観者がやや少なめでした。

 今回、歴史文化学科(ほか)の教員・学生は、解説ボランティアを担当するということで、実物の七支刀をつぶさに拝観するまたとない機会が得られているわけですが、七支刀の金象嵌銘文は、同じ天理市内の東大寺山古墳から出土した中平銘鉄刀の金象嵌銘文と比較すると、技法と書体ともに少し見劣りがするように思われます。もちろん、これは石上神宮で神宝同様に扱われ、国宝に指定されている七支刀の価値や歴史的意義を損なうものではありませんが、客観的に見て、中平銘鉄刀の金象嵌銘文の方が、技術的に優れていると言わざるを得ません。

 その東大寺山古墳の中平銘鉄刀は、後漢の中平年間(184~190)、つまり、2世紀末の時代の中国と倭の交渉を裏付ける非常に貴重な資料、日本列島最古の紀年銘資料として知られていますが、この銘文鉄刀も、今秋、遷都1,300年の協賛、天理参考館創設80周年記念、そして、東大寺山古墳の発掘調査報告書出版を記念して、天理参考館で、実に40年ぶりの里帰り展がおこなわれます。

 そういうわけで、今年は、春と秋、天理が誇る紀年銘資料が揃って市内で公開されるという意義深い年になりました。東大寺山古墳の特別展に関しては、銘文鉄刀だけでなく、出土資料の多くが一堂にずらりと展示されますので、必見です。東大寺山古墳の発掘調査報告書は、真陽社からまもなく出版です。 (K)

創立80周年記念特別展 よみがえるヤマトの王墓-東大寺山古墳と謎の鉄刀-

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